交際費課税

平成18年度の税制改正で、交際費等の範囲から「1人当たり5,000円以下の飲食費(社内飲食費を除く)」が一定の要件の下で除外されました。一定の要件というのが、飲食があった年月日や飲食に参加した人の氏名や関係、参加者の人数などを記載した書類を保存していることが必要です。

この改正があってから、たいていの法人では対応されていたと思います。数年経過した現在ではどうなんでしょうか?少し疑問を感じたので記事にしてみました。

改正当時は、会計事務所からアナウンスがあってから書類の保存をされていたと思いますが、おそらくこの書類を作成するのは結構面倒なのではないかと思います。

交際費として支出すると、接待や贈答などをしたときにお金が出ていき、限度額はありますがさらにその支出した金額に対しても法人税が課税されます。キャッシュの面からすると倍の支出になります。

資本金が1億円を越える法人については限度額がないので全額課税されます。また、平成22年4月1日以後に開始する事業年度からは、資本金が1億円以下の法人であっても資本金5億円以上の法人との間に100%の支配関係があると限度額はなくなり全額課税されます。

個人的には、書類の保存をすることで交際費課税が免れるので、書類を作成して保存してもらいたいものです。

保険を使った節税などがありますが、書類を作成するだけで交際費課税されないことも一つの節税方法と思います。

浦野

提出忘れに注意です

今年も残すところ1ヵ月となりました。今週から急に冷え込んできたのでコート着用です。
世間では、クリスマスムードで楽しそうですね。



会計事務所業界の12月の行事は、10月決算法人の申告はもちろんこと年末調整や個人事業者の消費税の各届出書の提出期限、それに税理士試験の発表・・・。
個人的には、一番最後のやつが気が重いです・・・。



今回は個人事業者様用に消費税の各届出書についてご説明します。



平成25年1月1日以降から適用を受けたい場合には適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、平成24年中に事業を開始して平成24年から適用を受けたい場合には事業を開始した日の属する課税期間の末日までに、つまり平成24年12月31日までに一定の事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。




まず、1つ目は、消費税課税事業者選択届出書です。免税事業者が課税事業者になりたい場合に提出する書類です。平成25年中に多額の設備投資などをして還付を受けたい事業者などが該当するでしょう。




2つ目、消費税課税事業者選択不適用届出書です。これは1つ目とは逆で、課税事業者を選択していた事業者が選択をやめよう(免税事業者に戻ろう)とする場合に提出します。ただし、消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者となった場合には、一定期間後でないと提出することはできません。また、この届出書を提出して場合でも、特定期間における課税売上高が1,000万円を超えたら課税事業者になります。




3つ目は、消費税簡易課税制度選択届出書です。簡易課税制度を選択したい場合に提出します。簡易課税制度は、基準期間における課税売上高が5,000万円以下の対象となりますので、この届出書を提出しても5,000万円を超えてしまうと適用できません。また、調整対象固定資産を購入した場合には、この届出書を提出できない場合があります。




4つ目は、消費税簡易課税制度選択不適用届出書です。これは、3つ目とは逆で、簡易課税制度の選択をやめようとする場合に提出します。簡易課税制度は課税売上だけで納付税額を計算するので多額の消費税を払っていても還付を受けることはできません。なので多額の消費税を支払って仕入税額控除を受けたい場合に提出します。この届出書も、2つ目の消費税課税事業者選択不適用届出書と一緒で、一定期間後でないと提出することはできません。




上記4つの届出書は、平成24年12月31日23時59分59秒までに提出したら適用できます。適用を受けたいけどまだ、提出していない方は先延ばしにせず早めに提出しましょう。

大阪中央 浦野

25年度税制改正-法人税

平成25年度の税制改正のうち、法人課税については、民間投資の喚起の観点、雇用・所得拡大の観点、中小企業対策の観点から創設されたもの、拡充されたものがあります。


1. 生産等設備投資促進税制の創設

新たに国内において取得等した機械装置について、次の要件を満たした場合には30%の特別償却又は3%の税額控除(法人税額の20%を限度)ができます。

(1) 国内における生産等設備への年間総投資額が減価償却費を超えること

(2) 国内における生産等設備への年間総投資額が前年度そ比較して10%超増加していること

 ※平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。


2. 所得拡大促進税制の創設

次の要件をすべて満たした場合、給与等支給増加額の10%を税額控除(中小企業等は法人税額の20%、それ以外は法人税額の10%を限度)できます。

(1) 基準年度と比較して5%以上給与等支給額が増加したこと

(2) 給与等支給額が前事業年度を下回らないこと

(3) 平均給与等支給額が前事業年度を下回らないこと

 ※平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。


3. 商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業等の支援措置の創設

商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業等が店舗改修等のための設備投資を行った場合、30%の特別償却又は7%の税額控除(法人税額の20%を限度)ができます。
 
 ※平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。


4. 環境関連投資促進税制の拡充

太陽光・風力発電設備の即時償却制度を2年延長し、対象設備の範囲に省エネ設備であるコージェネレーション設備の追加。その他の設備の特別償却・税額控除制度について、対象設備を見直すとともに2年延長。


5. 研究開発税制の拡充

試験研究費の総額に係る税額控除制度について、税額控除上限額を法人税額の20%から30%に引き上げ、特別試験研究費の範囲の拡大されます。(平成26年度末まで)


6. 雇用促進税の拡充

雇用者数が増加した場合の税額控除について、税額控除額を増加雇用者数一人当たり20万円から40万円に引き上げ。


7. 中小法人の交際費課税の特例の拡充

中小法人が支出する交際費のうち800万円以下の金額の全額を損金算入できます。

消費税 納税義務の判定フローチャート

≪原則≫

その課税期間の基準期間における課税売上高  →  1千万円超える   ∴ 課税事業者

         ↓ 1千万円以下

小規模事業者に係る納税義務の免除により免税事業者


≪免税事業者が次に該当する場合≫

免税事業者が課税事業者選択届出書を提出  →  している  ∴課税事業者
        
         ↓ していない

   特定期間における課税売上高    →  1千万円超える   ∴課税事業者

         ↓ 1千万円以下

相続、合併又は分割等があった場合の納税義務の免除の特例の適用 → あり ∴課税事業者

         ↓ なし

新設法人の納税義務の免除の特例の適用   →   あり  ∴課税事業者

         ↓ なし

       免税事業者

25年度税制改正-所得税

平成25年度の税制改正のうち、個人課税については、以下の改正・拡充されました。



1. 所得税の最高税率の引き上げ

 平成27年より、所得税の最高税率が、4,000万円超の所得について最高税率を45%まで引き上げられます。


2. 日本版ISA(少額投資非課税制度)の創設

 最大500万円の上場株式や公募の株式投資信託等への非課税投資を可能とする日本版ISAが創設されます。


(1)非課税の対象・・・非課税口座内の少額上場株式等の配当、譲渡益

(2)非課税投資枠・・・毎年100万円までで翌期繰越不可

(3)投資総額・・・・・最大500万円まで

(4)口座開設期間・・・平成26年1月1日~平成35年12月31日までの10年間

(5)保有期間・・・・・最大5年間、途中売却は自由で、売却して、非課税枠の再利用は不可



3.金融所得課税の一体化の拡充

 金融商品に係る損益通算範囲の拡大されます。平成28年1月1日以降、公社債等に対する課税方式を上場株式等と同様申告分離課税に変更となり、そのうえで、損益通算できる範囲を公社債等まで拡大します。
 


4.住宅ローン減税について

 住宅ローン減税を平成26年1月1日から平成29年12月31日まで4年間延長し、平成26年4月1日から平成までに、認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅)を取得した場合の最大控除額を500万円に、それ以外の住宅を取得した場合には400万円にそれぞれ拡充します。また、自己資金で認定住宅を取得した場合及び省エネ等の一定の住宅リフォームを行った場合の所得税の住宅投資減税を拡充します。



5.復興支援のための税制上の措置

 高台移転をさらに推進するため、一定の要件を満たす防災集団移転促進事業で行われる土地等の買い取りに係る譲渡所得に対しては、5,000万円特別控除を適用します。
また、東日本大震災の被災者が新たに再建住宅を取得等する場合、住宅ローン減税の最大控除額を他の地域よりさらに抜本的にかさ上げし、現行の360万円から600万円に引き上げします。

25年度税制改正-消費税

 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」により、消費税法の一部が改正されました。



1.消費税収入の使途の明確化

国分の消費税収入は、毎年度、制度として確立された下記の経費に充てるものとされました。

(1) 年金の社会保障給付

(2) 医療の社会保障給付

(3) 介護の社会保障給付

(4) 少子化に対処するための施策に要する経費


(注) 地方消費税収入(引上げ分)及び消費税収入に係る地方交付税分について、社会保障4経費を含む社会保障施策に要する経費に充てるものとされています。



2.消費税率の引上げ

消費税率及び地方消費税率について、以下の通り2段階で引上げることとされました。


現行          消費税率 4.0% 地方消費税率 1.0%  合計5.0%

平成26年4月1日   消費税率 6.3% 地方消費税率 1.7%  合計8.0%

平成27年10月1日   消費税率 7.8% 地方消費税率 2.2%  合計10.0%



※ 経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、消費税率引上げの前に、経済状況等を総合的に勘案した上で、消費税率の引上げの停止を含め所要の措置を講ずることとされています。


※ 引上げ後の税率は、経過措置が適用されるものを除き、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等について適用されます。



3.特定新規設立法人の事業者免税点制度の不適用制度の創設


開始時期:平成26年4月1日以後に設立される新規設立法人で、特定新規設立法人に該当するものについて適用されます。



その事業年度の基準期間がない法人で、その事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円未満の法人(以下「新規設立法人」といいます)のうち、次のいずれにも該当するもの(以下「特定新規設立法人」といいます)については、当該特定新規設立法人の基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されません。



(1)その基準期間がない事業年度開始の日において、他の者により当該新規設立法人の株式の50%超を直接又は間接に保有される場合など、他の者により当該新規設立法人が支配される一定の場合(特定要件)に該当すること。


(2)上記(1)の特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の者及び当該他の者と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)の当該新規設立法人の当該事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超えていること。



4.任意の中間申告制度の創設


開始時期:個人の場合は平成27年分から、事業年度が1年の法人については、平成26年4月1日以後開始する課税期間(平成27年3月末決算分)から適用されます。



直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税額を含まない年税額)が48万円以下の事業者(中間申告義務がない事業者)が、任意に中間申告書(年1回)を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には、当該届出書を提出した日以後にその末日が最初に到着する6月中間申告対象期間から、自主的に中間申告・納付することができることとされました。



(注1) 6月中間申告対象期間とは、その課税期間開始の日以後6月の期間で、年1回の中間申告の対象となる期間をいいます。


(注2) 中間納付税額は、直前の課税期間の確定消費税額の1/2の額となります。また、中間納付税額と併せて地方消費税の中間納付税額を納付することとなります。なお、任意の中間申告制度を適用する場合であっても、仮決算を行って計算した消費税額及び地方消費税額により中間申告・納付することができます。

≪改正前≫ 

直前の課税期間の確定消費税額    4,800万円超    年11回
                         400万円超     年3回
                          48万円超     年1回
                          48万円以下    中間申告義務なし

≪改正後≫

直前の課税期間の確定消費税額     4,800万円超    年11回
                         400万円超    年3回
                         48万円超     年1回
                         48万円以下    任意の中間申告義務(年1回)可能



5.税率引上げに伴う経過措置

改正後の税率は、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物について適用され、適用開始日前に行われた資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税については、改正前の税率が適用されることとなります。ただし、適用開始日以後に行われる資産の譲渡等のうち一定のものについては、改正前の税率を適用することとするなどの経過措置が講じられています。

源泉所得税と労働保険料の納付について

毎年6月から7月にかけて税金や保険料の支払でお金の出金が多くなる時期です。


まず、税金面ですが、上半期に支払った給与や税理士などの報酬について源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税(以下、所得税等といいます)を7月10日までに納付しなければなりません。


原則は、源泉徴収した所得税等は給与や報酬などを支払った月の翌月10日までに納付しなければなりませんが、『源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書』を提出し納期の特例の適用を受けている場合には次の通りとなります。



1月から6月支払分・・・7月10日まで

7月から12月支払分・・・翌年の1月20日まで

(注)この納期限までに納付がない場合には、延滞税や不納付加算税などが課せられることがあります。


なお、この特例は、給与の支給人員が常時10人未満である源泉徴収義務者で、納期の特例制度の適用を受けようとする源泉徴収義務者に限られますので、支給人員が常時10人以上の源泉徴収義務者は原則通りの取り扱いとなります。


続いて、保険面ですが、労働保険の年度更新があります。


これは、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付と前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付を行うための手続きです。
この申告・納付について、平成25年に関しては6月3日から7月10日までに提出・納付をしなければなりません。


この手続きが遅れた場合には、政府が労働保険料・一般拠出金の額を決定し、さらに追徴金が課せられることがあります。


なお、労働保険料に関しては概算保険料額が40万円以上(保険関係区分が一定の区分以外の場合は20万円以上)の場合は3回に分けて納付することができます。



半年分の所得税等と労働保険料を7月10日までに納付しなければならないので金額が張るかと思います。納税資金が不足しないように納税準備預金として毎月積立をしていくことをお奨めします。
 

路線価発表

7月1日に国税庁より25年度の路線価が発表されました。


国税庁HP⇒http://www.rosenka.nta.go.jp/


相続税の計算をするときに、相続財産の土地の金額は時価で計算します。路線価はこの時価を計算するときに使われます。
1㎡につきいくらと値段が付けられますので、その金額に面積を乗じればその土地の時価が計算されます。(土地の形状によってはいろんな補正率を乗じたりしますので、こんな単純には計算されません。)



7月1日付の産経新聞によれば、全国約36万地点の標準宅地の平均変動率は前年比1.8%減で5年連続の下落となったようですが、下落率は前年より1.0ポイント圧縮したようです。あべのハルカス(大阪市阿倍野区)の部分開業などを受け、同区で35.1%の上昇となるなど、最高路線価の上昇率全国1~3位を大阪市内が占めています。また、南海トラフ地震による津波などへの警戒感が現れた格好で近畿地方では和歌山県で下落が激しいようです。



県庁所在地別の最高路線価は、大阪や横浜、名古屋など7都市で上昇、東京など8都市は横ばいでした。
路線価日本一は28年連続で東京・銀座中央通りにある「鳩居堂(きゅうきょどう)」前で2,152万円です。


たった1m×1mの広さが2,152万円なんて意味分かりません。



よく行く土地の路線価がいくらか見てみるのも面白いかもしれません。
ちなみに私が住んでいるところは11.5万円でした。ケタが違いすぎます(笑)

消費税率引上げに伴う経過措置

消費税の改正後の税率は、平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税について適用されます。平成26年3月31日以前に行われた資産の譲渡等、課税仕入れ及び保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税については改正前の税率が適用されます。
ただし、平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等のうち一定のものについては、改正前の税率が適用する経過措置が講じられています。


次に掲げるものには、8%への税率引上げ後においても5%の税率が適用されます。
(平成26年4月1日を適用開始日と言います。)


1.旅客運賃等
適用開始日以後に行う旅客運送の対価や映画・演劇を催す場所などの入場料等のうち適用開始日前に領収しているもの


2.電気料金等
継続供給契約に基づき、適用開始日前から継続して供給している電気・ガス・水道・電話に係る料金等で適用開始日から1ヵ月以内に料金の支払いを受ける権利が確定するもの


3.請負工事等
平成8年10月1日から平成25年9月30日までの間に締結した工事(製造を含む)に係る請負契約(一定の要件に該当する測量、設計及びソフトウェアの開発等に係る請負契約を含む)に基づき、適用開始日以後に課税資産の譲渡等を行う場合の当該課税資産の譲渡等


4.資産の貸付け
平成8年10月1日から平成25年9月30日までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、適用開始日前から同日以後、引き続き貸付けを行っている場合における適用開始日以後行う資産の貸付け


5.指定役務の提供
平成8年10月1日から平成25年9月30日までの間に締結した役務の提供に係る契約で契約の性質上役務提供の時期をあらかじめ定めることができないもので、当該役務の提供に先立って対価の全部又は一部が分割で支払われる契約に基づいて、適用開始日以後に行う場合で一定の要件に該当する役務の提供


6.予約販売に係る書籍等
平成25年10月1日前に締結した不特定多数の者に対する定期継続供給契約に基づき譲渡される書籍等に係る対価を適用開始日前に領収している場合のその譲渡が適用開始日以後に行われるもの


7.特定新聞等
不特定多数の者に週、月その他一定の期間を周期として定期的に発行される新聞又は雑誌で、発行者が指定する発売日が適用開始日前であるもののうち、その譲渡が適用開始日以後に行われるもの


8.通信販売
通信販売の方法により商品を販売する事業者が、平成25年10月1日前にその販売価格等の条件を提示し、又は提示する準備を完了した場合において、適用開始日前の申込みを受け、提示した条件に従って適用開始日以後に行われる商品の販売


9.有料老人ホーム
平成8年10月1日から平成25年9月30日までの間に締結した有料老人ホームに係る終身入居契約(一定の要件を満たすものに限る)に基づき、適用開始日前から同日以後引き続き介護に係る役務の提供を行っている場合における、適用開始日以後に行われる入居一時金に対応する役務の提供



(国税庁HPより)

欠損金の繰越控除

法人の所得計算は、それぞれの年度の益金から損金を控除して計算され、プラスになれば法人税を納め、マイナスになれば法人税は納めません。マイナスになる年度は、基本的にお金が少ない法人や負債が多いかと思います。そして、その翌年にプラスになったからといって税金を納めないといけないと法人の資本維持が難しくなると考えられます。このようなときに、プラスになった年の前年以前に生じたマイナスがあればそのプラスと相殺する制度があります。それが、欠損金の繰越控除という制度です。なお、青色申告書を提出している法人を前提に説明します。



【制度の内容】

 内国法人の各事業年度開始の日前9年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額(すでにこの規定により損金の額に算入されたもの及び欠損金の繰戻還付の計算の基礎となったものを除く)があるときは、その欠損金額は、その各事業年度の損金の額に算入されます。
だだし、欠損等法人が特定支配日直前に事業を営んでおらず、特定支配日以後5年を経過した日の前日までに一定の事由に該当するときは、その該当することとなった日の属する事業年度(以下「適用年度」と言います)前の各事業年度において生じた欠損金額については、繰越控除の規定の適用はありません。



【適用要件】

 当該規定は、欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、その後においても連続して確定申告書を提出し、かつ、欠損金額の生じた事業年度の帳簿書類を保存している場合に適用します。



【繰越控除される欠損金の繰越期間】

 平成23年12月税制改正により、平成20年4月1日以後に終了した事業年度について繰越期間は9年間とされました。これに伴い、帳簿書類の保存期間が9年間に延長されました。なお、欠損金額が生じた年度によっては、繰越期間が異なります。

※平成13年4月1日前に開始した事業年度において生じた欠損金の繰越期間は5年、帳簿書類の保存期間も5年間です。

※平成13年4月1日以後に開始した事業年度から平成20年4月1日前に終了した事業年度において生じた欠損金額の繰越期間は7年、帳簿書類の保存期間も7年です。


【繰越控除される欠損金額の限度額】
 
 繰越控除される欠損金額は、次の区分に応じそれぞれの金額となります。

(1)普通法人のうち期末資本金額が1億円以下であるもの(期末に大法人との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人その他一定の普通法人を除く)その他一定の法人・・・この規定適用前の所得の金額を限度

(2)(1)以外のもの・・・この規定適用前の所得の金額の80%を限度

【税理士からのワンポイント】
 累積赤字を抱えている会社は数多くありますが、この欠損金を7年あるいは9年経過してしまい、切捨てとしてしまっているケースをよく見かけます。
会社が赤字続きであれば、しょうがないと思われるかもしれませんが、そうとも限りません。

 このような赤字会社は、金融機関からの借入だけでは、資金が不足するため社長の個人資金を借りているケースが非常に多いです。この金額も会社によっては数千万円~数億円まで計上されていることもあります。
 ところが、この社長からの借入金は、社長個人から見れば会社に対する貸付債権ですので、社長に万一のことがあった場合には、相続税の課税となります。
 
 つまり、ほとんど回収の見込みがつかない貸付債権にもかかわらず、相続税の課税対象となるのです。
これを解決するための方策が、この期限切れ欠損金の有効利用です。

 具体的には、欠損金の有効期限が切れる前に、社長が会社へ貸し付けている債権の一部でも債権放棄をします。(確定日付をとっておくことをお勧めします。)これにより会社は、借金の棒引きを受けたことになりますので、債務免除益として収益計上され欠損金も切り捨てられずに有効に利用することができます。