会社設立については、
①個人事業主から法人組織へ変更するケース
②会社員時代のノウハウを活かして起業するケース
などが存在しますが、この2つのケースはスタート地点が異なるので、資金繰り対策も違ったものとなります。
ではケースごとに見ていきましょう。
①個人事業主から法人組織へ変更するケース
このケースは、個人事業としてすでに経験を積んでおり、今後事業を拡大していく為に法人組織へ変更を行う場合が多いでしょう。
つまり、個人事業において金融機関との付き合いもあり、融資を受けている。もしくは、個人事業の実績をもとに、法人組織へ変更後に融資を受けることが、可能です。
こちらのケースの資金繰りのポイントについてお伝えいたします。
個人と法人の資金繰りの違い
個人事業では、売上-仕入-経費-融資返済→残りが経営者の自由に使えるお金
法人事業では、売上-仕入-経費-役員報酬-融資返済→先に経営者の自由に使えるお金は役員報酬として、組み込まれるため、役員報酬の設定を誤ると、会社が赤字となり融資返済に支障をきたすこととなる。まずはご相談ください!
行き過ぎた節税は資金繰り悪化のもと
個人事業から税金対策も含めて法人組織へ変更するケースもあります。(法人組織にすることによる節税効果は、事前のシュミレーションが重要!まずは羽子田税理士に相談しましょう!)しかし、法人税も払うのがもったいないとの理由でさらに節税対策をすすめると、事業が悪化した場合に融資の返済にまで、影響を及ぼすことになります。
資金計画をたて、返済可能なだけの利益は確保しましょう。資金計画の作成については、ご相談ください。
内部留保を作ろう!
内部留保とは、会社で利益を上げると、これに法人税等が課税されます。この法人税等を支払った後に残ったお金のことをいいます。
会社を大きくしていく為には、人材の確保、設備投資などお金の出費を伴います。これをすべて借入で賄えば、利益をすべて返済に充当することになり、そこで会社の成長は止まります。事業拡大→借入→利益増加→返済というサイクルで会社が動き出したとき、利益減少(赤字)に転落するとこのシナリオは崩れ、赤字→資金不足→運転資金借入という、借入金が雪ダルマ式に増えていく最悪の結果を招きます。内部留保の重要性がわかっていただけましたでしょうか。
上手に節税しながら、内部留保を増やしたい方はご相談ください!
②会社員時代のノウハウを活かして起業するケース
このケースは開業資金をファミリーファイナンス(自己資金又は家族や友人)にて調達することになります。ここで当面の運転資金は確保しておかなければなりません。(当面の運転資金に困るようであれば、事業の成功確立はかなり厳しいでしょう。)
このケースでは、飲食店に勤務して経験を積んだ後に、独立して自分で店を構える人を例に考えてみましょう。
当面の運転資金は、自力で確保できても、店の出店費用、改装費、保証金などは、最低でも数百万円はかかります。この設備資金については、事業実績がなくとも、公的な融資制度を使って調達することが可能です。(運転資金も対象ではありますが、なるべく自己資金で賄いましょう。)
こちらのケースの資金繰りのポイントについてお伝えいたします。
最寄の地銀・信用金庫などで開設すること
起業する際に、銀行口座は、都市銀行ではなく、最寄の地銀、信用金庫などで開設すること。起業時の資金調達には、地銀、信用金庫などの方が、親身に対応してもらえる。
融資の成否は事業計画書の信憑性が重要
事業実績がないため、融資の成否は事業計画書の信憑性が重要。必要資金から逆算するだけの、事業計画書では審査はとおらない。
事業計画書は、社長が作ること
事業計画書は単なる数値予測ではなく、社長の事業に対する思い入れや、特色などを相手に伝えるものである。(どうやって作ればよいのかわからない人方はご相談ください!)
資金調達について
事業の継続には、運転資金あるいは設備投資にかかる資金を、金融機関などから調達してこなければなりません。主な選択肢は次の3つです。
1.日本政策金融公庫(公的融資制度)→http://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/index.html(創業融資はコチラ)
創業融資制度あり
金利も比較的安いため、まずはここを第一に検討しましょう。
2.保証協会付き融資(公的融資制度)→大阪信用保証協会http://www.cgc-osaka-fu.or.jp/index.html
創業融資制度あり
代表者以外の保証人は原則不要(保証協会が保証人となってくれる)
金利は低いが、別途保証料が必要
3.銀行融資
創業後すぐに融資を受けるということは、まず不可能です。
ケース①の様に、個人事業からの実績があれば、融資も可能となります。まずは事業実績を積み重ね、銀行担当者に相談できる関係作りから始めましょう。