新設法人の消費税注意点

新設法人の場合、条件はありますが消費税については免税にされることがあります。
会社設立において、知っておいた方がいいこと知って得をすることが多々あります。
そういったこともお伝えし、スムーズに設立できるようにサポートいたします。

消費税の免税について

新設法人の場合、資本金1000万円未満であれば、第1期は消費税の免税事業者となることができます。

一方、不動産賃貸業などを始める法人であれば、設立1期目にて不動産を購入することにより消費税の還付を受けることができますので、あえて「消費税課税事業者選択届出書」を提出することにより、消費税の納税義務者となることが可能です。
この判断は、難しいので、税理士にシュミレーションしてもらいましょう。

この場合の注意点は、1期目の課税売上が1000万円未満であった場合でも、第3期にて免税事業者には戻れないケースがあるということです。

通常、「消費税課税事業者選択届出書」を提出した場合には、2年縛りがありますので、3年目以降でなければ、免税事業者には戻れません。

この2年縛りが癖もので、設立1期目は日数が丸々一年ではなく、端数が生じることが多々ありますので、11ヶ月と10日であれば、一年とはカウントされません。
よってこのケースでは、たとえ1期目の課税売上が1000万円未満であっても、3期目に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出したとしても、厳密に2年を経過していないため、免税事業者には戻れません。

複数の会社を作る

よく中小企業のオーナーで、いくつも会社を持っている人がいますよね。
なぜ会社をひとつではなく、いくつも作るのか?
また複数会社を作るメリットとデメリットをお伝えいたします。

複数の会社を作るメリット

会社を複数持っているオーナーは「子会社(別会社)を作る」あるいは「分社」という形で会社を増やしています。
会社を複数持つメリットとしては、次のような事が挙げられます。

①節税対策

中小企業の場合、課税所得が800万円以下の部分については法人税率が15%+800万円超の部分については23.4%の法人税が課税されますが、分社することにより15%の枠をそれぞれ使用することが可能となります。
法人税だけでなく、法人住民税、法人事業税も負担を軽減することができます。
※その他、交際費の損金算入枠を2社分確保することが可能となります。

②経営管理

業態の違う事業などでは、1社で管理すると固定費や管理費など明確に区分しにくいものが発生します。
業態ごとに会社を分けることにより、経営の透明性を高めることができ意思決定の判断が正確なものとなります。
その他、子会社を作る場合には、消費税の1年間の免税措置を利用することも大きいですね。 (分社の場合には、この方法は使えません。)
このように、節税対策と経営上の観点から、会社を複数持つ方がいる訳です。
しかし、節税対策のみを重視して、会社をたくさん作ると後で後悔するケースもあるので注意が必要です。

複数の会社を作るデメリット

分社の検討をする場合は、やはり節税を意識されていることが多いようです。
しかし、分社することにより、親会社は売上が減少し資金負担も大きくなります。借入金の推移や資金繰りなどにも、充分注意を払いつつ経営上の観点から検討を進めるべきでしょう。

①事務作業の増加

会社が増えることにより、経理(請求、支払い業務)、会計、申告、社会保険など別々に管理する必要があるため、間接部門の人件費などが膨らむ可能性がある。

②スケールメリットの喪失

分社の場合、仕入や融資などにおいてスケールメリットを活かしている会社にとっては、その効果が薄くなる。(グループ会社として見てもらえれば、大きな影響はないでしょう。)

③消費税の免税は使えない

新設法人の消費税の1年間の免税措置は、分社という形では利用できません。分割前会社の基準期間の課税売上を採用することになるためです。 子会社として、新しく会社を作った場合は、消費税は1年間納税義務はありません。ここは大きく違いますので、注意が必要です。 ※親会社の課税売上が5億円超である等特定要件を満たす場合には、免税とはなりません。

注意点

節税目的で複数会社を作る場合の注意点は、新しく作った会社が思うように利益が上がらなかった場合は、事務作業などの手間だけが残り、親会社との損益通算もできないため、節税どころか結果的には増税となってしまうこともあります。

このような場合には、経営統合するなどの措置が必要となりますが、まずは安易な節税目的だけでの会社設立はリスクが伴うことも認識下さい。

許認可一覧

会社設立前には必ず許認可・届出が必要かどうか調べておく必要があります。
無許可・無届・無認可ですと罰金や営業停止といった厳しい処罰が待っていますのでご注意ください。
*許認可は行政書士の専門分野になりますので当事務所提携行政書士に依頼します。

印刷物の手配を忘れないで

会社設立の手続きと並行して作成していただきたいのが、名刺・封筒・挨拶状・ホームページです。
一口に制作と言っても、制作業者、デザイン、納期、文書制作など決めないといけないことがたくさんあります。
出来るだけ早く準備に取り掛かりましょう。
印刷物・ホームページのご依頼も当事務所で受け付けておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。

手配が必要なもの

手配をしておいた方がいいものをご紹介いたします。

名刺・封筒

名刺・封筒は会社を運営するにあたり必須アイテムです。
特に設立時に一番重要なのは名刺です。
名刺は自分を表現するものなのでデザインにこだわる方もいいですが、デザインがなかなか決まらないことも多いのでご準備はお早めに!

挨拶状

設立時の挨拶として多く発送されるのが挨拶状です。
印刷会社に依頼してもいいかと思いますが、経費削減でご自分でプリンターでハガキに印字されてもいいと思います。

ホームページ

情報収集がスマートフォンという現代では、ほどんどネット検索でされる方が多いです。
名刺交換した際、取引先の方がホームページを見る機会が非常に増えています。
ホームページは貴方の会社の裏付けをとるものでもあります。
会社の銀行口座を作るときにホームページがないと作れない金融機関もあるくらいなので、 是非お早めに作成してください。

設立後の各官庁への手続き

会社を設立登記が完了し会社の経営をスタートさせる前に、各官庁への手続きが必要です。 この手続きには、税務と労務の2種類が必要となります。
今回は、税務上の手続きについて説明します。

手続きが必要となる役所

会社を設立した場合には、その旨を役所に知らせないといけません。
その役所というのは、本店所在地を管轄している税務署・都道府県税事務所・市町村役場の3か所です。
(本店所在地が、東京都23区内である場合には、管轄内の税務署と都税事務所の2か所です。)

提出書類

法人設立届など数種類の書類の提出が必要です。

法人設立届

会社設立後2月以内に以下の書類を添付して、税務署・都道府県税事務所・市町村役場に提出します。

提出物定款のコピー
登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピー
株主名簿
開始貸借対照表

都道府県税事務所と市町村役場によって様式は様々ですので、本店所在地の管轄の都道府県事務所・市町村役場から取り寄せるかホームページでダウンロードできます。

提出先税務署
都道府県税事務所
市町村役場
東京都23区の場合の提出先管轄内の税務署と都税事務所

青色申告承認申請書

法人の申告には、白色申告と青色申告の2種類あります。
何がどう違うのかを一言で言えば、青色申告は法人にとって優遇規定を受けることができます。
青色申告の優遇規定の一つとして、欠損金の繰越控除があります。
欠損金とは、税務上の赤字のことで、9年間繰越すことができます。
所得が出た年度の黒字と相殺できる規定です。
他にもたくさんの優遇規定を受けれるようにするために青色申告承認申請書を提出します。

提出期限会社設立の日以後3月を経過した日と
当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで

この期限に遅れると、設立年度から青色申告書で申告できないので注意が必要です。

給与支払事業所等の開設の届出書

給与の支払者が、国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設した場合に、その旨を所轄税務署長に対して届け出るために提出します。

提出期限開設があった日から1か月以内

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請を行うために提出します。
源泉所得税は、原則として徴収した日の翌月10日が納期限ですが、この申請書を提出すれば、従業員が常時10人未満である会社が、源泉徴収をした所得税について、毎月納付するのでなはなく、年2回にまとめて納付できるという特例制度が受けられます。
この申請書を提出すれば、源泉徴収した所得税を毎月納付する手間は省けます。

提出期限提出期限はありませんが、原則として提出した日の翌月に支払う給与等から特例が適用されるので早めに提出

その他の手続き書類

会社が必要に応じて提出する書類です。
具体的には、以下の書類などです。

  • 棚卸資産の評価方法の届出書
  • 減価償却資産の償却方法の届出書
  • 有価証券の評価方法の届出書
  • 外貨建資産等の期末換算方法等の届出書

これらの書類を提出しない場合には、原則通り法定方法の取扱いとなります。

消費税関係の書類

消費税についても、必要に応じて提出する書類があります。

①消費税課税事業者選択届出書

消費税は原則として、前々期の課税売上高が1000万円を超える場合に、消費税の納税義務者となりますが、新設法人の場合、資本金1000万円未満であれば免税事業者となります。
しかし、会社設立に伴って、多額の設備投資をすれば、多額の消費税を支払うこととなります。
このような場合に、この書類を提出すれば、1年目から消費税の課税事業者となって、消費税の還付を受けることができます。
しかし、2年間は消費税の課税事業者となるので提出する際には、しっかり設立後2年間の会社経営をシュミレーションする必要があるかと思います。

提出期限適用を受けようとする課税期間の初日の前日
※新規開業の場合は、その事業年度終了の日までとなっています
②消費税の新設法人に該当する旨の届出書

新設法人の場合、会社設立時の資本金が1000万円以上なら、届出が必要となります。
ただし、法人設立届の所定の欄に記載して提出すれば、この届出書の提出は不要です。

提出期限期限はありませんが速やかに提出